デザイナーが考える、人工知能と仕事

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デザイナーが考える、人工知能と仕事

人工知能とデザイン

 

人工知能の進化は日進月歩。あらゆる分野において実用化され、私たちの生活をより便利に快適にしてくれる。

もちろん、デザイン業界においても人工知能を活用したさまざまなWebサービスがスタートアップしている。

用意された項目に必要情報を入力するだけでWebデザイン、レイアウトをしてくれるFiredropAid Generator、ロゴの制作をしてくれるTAILOR BRANDSなど、ウェブ制作の効率を上げるサービスが展開されている。

便利になる一方で、デザイナーからは不安の声が広がっている。それは多数の業界にて、もはや共通言語になっている「人間の仕事が人工知能に取って代わるのではないか」という不安である。私の周りでもそういう人は少なくない。

デザインの仕事は全て無くなるのか?

結論から言えば、全てはなくならないだろう。というのが私の見解だ。

レイアウトやロゴなどの必要な素材はもちろん人工知能に任せたほうが正しいものができるだろうし、わざわざ人間にやらせる時代は終わるだろうと思う。デザインの業務の9割は人工知能が行う時代が来ても決して不思議ではない。

人間の根源的な部分へ回帰していく

デザイン業務の残り1割、人間の仕事とは何か。それは「問題を見極めること」だ。クライアントの置かれている状況に寄り添い、整理し、複眼的思考を持って、解決すべき点を見つけて臨むこと。もっと平易な言葉で言い換えるならば「人の気持ちを考えること」と言える。これをせずに人工知能を用いて表面だけ、クライアントの意向に答えた、ハイテクでキレのある流行に則ったデザインのカタチを創造しても、そこには感動がない。「なんか違う」と違和感を覚えるはずだ。それはなぜか?人間ならではの体温、激しく言えば情熱が感じられないからだ。この世界の仕事の対象者は人である以上、温度、熱は必ず生まれる。それによって争いが起こることもあるだろうが、それは別として、きっと私たち人間が心震える瞬間は大きな熱量に触れたときに尽きる。人工知能にその熱が感じられるだろうか。むしろ機械に”熱”は大敵ではないのだろうか。

また、情熱とは物事に取り組む過程より生まれる。ある問題に対して「なんとかしてあげたい」「もっといいものをつくってあげたい」といった気持ちから生じていくものなのだ。そう考えれば、この世の全ての理論や知識はそこから生まれたといっても過言ではないだろう。果たして膨大なデータ、理論や知識をわずか数秒で処理する人工知能にその重みがわかるだろうか。

そういった人間の根源的な感情の領域に人工知能はまた至っていないと思う。ディープラーニングなど、直感力を持ったと言われる人工知能も開発されているが、人類史がはじまって16万年の歳月の重みを機械が軽々しく超えていけるとは私は思わない。

科学発展が目覚ましい時代だからこそ、そこに振り回されずに堂々と人間らしく生きていくというのが最も大事なことではないだろうか。

人工知能を相棒にして生きていく時代

人工知能が人間を脅かす存在などといい不安を煽ることも容易な時代だが、せっかくのテクノロジーを前向きに考えてみてはどうだろう。先にも述べたが、仕事で言えば、今まで行っていた雑多な作業を人工知能に任せることができる。その間に、自身は周囲の人や大切な家族や友人、今目の前にいる人に向き合って考える時間を捻出することができる。対面でのコミュニケーションが希薄な時代にとって最も大切なことを行える余裕を、多くの人が作り出せれば、世界中の情勢が良くなっていくことだろう。人工知能はそれを促進してくれる立派なツールであり相棒。そう考えれば、超クールで超有能なブレーンを持った彼らと共存していくのはそれほど難しいことではない。

平成30年1月10日
ウェブデザイナー 吉積拓馬

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